木村香順作・長禄書          
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木村香順作・長禄書

香順作品は総じて、豊島字母の模倣はしても他の模倣作者や豊島の作風は模倣してはいません。
彼は駒を注意を払って丁寧に見易く全体のバランスを誰にでも分かり易い文字に仕上げています。
書に個人の主張がないと言ってしまえばそれまでなのですが、嫌味のない駒となって、香順風の作品となります。
本駒は無地の島木地を選んでおり、長禄書は書体自身が派手ですので、杢の強い木地では派手過ぎてしまいがちです、あくまで書体が主役である為に、無地の木地を選んだのでしょう。
しかも、長禄書の強さを抑えた書に仕上げる事で、嫌味のない香順らしい上品な仕上がりの駒となっています。
駒木地に頼ったり、先人の模倣駒ではなく、あくまでも駒文字に対する理解表現であり、彼の知性と教養が十分に表現された作品です。

こんな長禄書作品は真面目に面白いですね、この駒を所有し鑑賞する度に、作者と直接対話していると感じ、駒談義に時間を費やした思いがします。
数次郎の長禄書を収集できたら、是非とも並べて鑑賞したいものです。